韓国仕入れ日記①(出発前〜空港〜ゲストハウス到着編)
こんにちは。先月、二年三ヶ月ぶりに韓国に行ってきました。せっかくなのでいろいろ記録しておこうかなあと思いまして、久しぶりに(というか一年以上ぶりですよね)更新したいと思います。相変わらず「韓国の最新トレンドを発信!」とかではないのですが、こんな場所に行ってこんなんだったな〜こんなこと思ったな〜というぼんやり仕入れ日記ということで、気軽に読んでくださいませ。
ということで、わたしが最後に韓国に行ったのは2020年のバレンタインの頃で、船の中でコロナウイルスとやらが流行っている?そっか〜やだねえなんかこわいね〜くらいのまだ全然人ごとな感じの時期で、出国するとき一応空港でマスク買うかなんて甘く考えていたのですが全然売っていなく、とても焦った記憶があります。韓国に着いたら今までに無い比率でマスクをしている人が多く、MERSの時と今回はなんかちがうな?とびっくりしました。(あと覚えてるのは、ACEのソウルコンが急遽中止になって、友達がイラストを描いて会場で配布予定だったうちわを、たしかホンデで配ってたな)
15日くらいに帰国すると、もう割と世界中が大変な事になっていて、その数週間後に仕入れとは別の仕事でまた韓国に行く予定でしたが一緒に行く予定だった方が会社から渡航禁止令が出てしまい、その企画自体がなくなってしまいました。「また再来週くるからその時お茶いこ!」「だね!」と、韓国の友達とカカオで話してから、まさかの2年3ヶ月も会えなくなるなんてこの時は全く考えてもなかったし、PKPは2019年の7月にオープンしたので、この時はまだお店を始めて7ヶ月ちょっとの頃でした。
わたしは当初、数ヶ月に一回自分で韓国に行って、その時におもしろいなあと思ったものや気になった作家さんの作品を買付けて「買付けごとに置いてある商品の雰囲気が変わるお店にしたら楽しいんじゃないかな〜そうしたいな〜しよう〜〜」「今月はこの街で仕入れたもの特集とか、そういうのやってみたいな」等と思っていたので、自分の中で「万が一今みたいに気軽に韓国に行けなくなったらどうする?」「まあでもだいじょうぶか」と軽く考えていた事が現実になってしまい、相変わらずの運の悪さに日々落ち込んで、更に運のなくなりそうな思考回路でどんどんマイナス思考がひどくなり、毎日を不安いっぱいで過ごしていました。
コロナ禍の仕入れは作家さんからEMSで配送してもらい、いろいろな補助金を申請したりしてなんとか家賃は払えなくはない、というぎりぎりなところで営業を続けてきましたが、特に昨年辺りからあらゆる韓国コンテンツ(映画、文学、コスメ、食)が日本で爆流行りする流れで、300円ショップや100円ショップが韓国の作家さんのデザインをパクって売り出したり、いろんなところが韓国でデザインされた訳でも作られたわけでもない「雰囲気韓国っぽ雑貨」を安価で売り出して来たため、わたしのお店はオープンした頃の「めずらしい感」ももはやなく、2022年になってからは「ただ値段の高い店」の様になってしまい(しかも色が強くてあんまり韓国っぽくもないとよく言われ)(韓国雑貨だけどな)ちょうど3年目で店舗の契約更新時期だった事もあり「更新しないでもう辞めちゃおう」と、今年の春先には本気で思っていました…がしかし、そういう信念の無い、今だけ儲かればいいや的な物に負けるのがくやし過ぎて(変にそういうところのプライドが高く、更に負けず嫌いなところもあり)うっかり(?)更新料を払ったころ、四月からワクチンを三回接種した人は隔離免除のニュースが入ってきました。
わたしはストレスからなのか、ここ数年、映画館やまつげエクステなどの「ここからしばらく動けない」系の場所が苦手になってしまったため、隔離中に部屋から外に出られないという状況は絶対に無理だったのですが、「おや、ビジネスビザを取得すれば韓国に行けるぞ?」と、ここにきて突然ポジティブな思考の人になり、いろいろと悩んだり考えたり調べた結果、短期商用のビジネスビザを申請する事にしました。
ビザの取得については日々方法が変わっているのと、検索すればいろいろまとめてくださってる方がいるので詳しくは割愛しますが、わたしが収得したいビザは自分で用意できる書類の他に、取引先の事業登録書と招待状等が必須でした。 PKPで取り扱いしているのは個人の作家さんが多く、事業登録書を持っている方が殆どいなかったのですが、その中で店舗のある韓国の雑誌「Oh boy!」のキムヒョンソン室長に「わたしが韓国に行く為にこういう物が必要でご用意して頂きたいのですが、いろいろと面倒だと思いますし、いきなりなのでお時間あるときにでもご検討ください…あ、でも忙しそうだったらほんとうに大丈夫です…すいません…」と、すっごく日本人ぽいカカオをもじもじ送ってみたところ、「これが韓国人のスピード」というメッセージとともに、たった三分後ほどで必要な資料を速攻送ってくださいました笑
Oh boy!は、PKPのロゴをデザインしてくれた友人の田中絵里菜ちゃんが韓国で働いていた会社で、数年前に日本のポップアップの際にお手伝いをした事がきっかけでそこから交流があるのですが、コロナになってからは時々しか連絡をしていなかったにも関わらず「他に必要な物があったらいつでもすぐに準備するから」とおっしゃってくれて、とても嬉しくかったです。
そんなこんなでビザ取得、ワクチン証明(マイナンバーカードを持っていなかったので出発に間に合わない?となったのですが、有料で即日発行してくれる所を発見→解決!)48時間以内のPCR検査も無事陰性、からのQ-code(韓国に入国する際に必要なアプリ)も入力完了、入国から72時間以内に義務づけられている韓国でのPCR検査の予約も完了!明日出発!となるのですが、「わたし、韓国語話せたっけ?(今更)」「買付けってどんなふうだったっけ?」「円安やばいな?お金足りる?」と、淡々と杉並区で過ごしてきた二年間からの、久しぶりに感じる海外渡航へのとんでもない緊張とプレッシャーで一晩中胃液を吐きまくり、ベランダに生えてるミントを摘みそれを煎じて飲むという謎の夜を超え、2022年5月10日、いざ二年三ヶ月ぶりの韓国へ!
出発前日に「暫く会えないねええええええええ」と、ぶりおと一緒に撮った写真。半目。(眠そう)
出発の朝は4時に起床、銀座から成田空港行きのバスに乗り、成田空港へ。
「北ウイング」「南ウイング」という言葉を久しぶりに耳にして、テンション爆上がりしました。
噂には聞いていたけど、ほんとにどこもやっていなくて、ASAKUSAもAKIHABARAも、スタバもマックも閉まっていました。胃が不安だけど、マックでハッシュポテトを食べる気満々だったのに…。しかたなく唯一10時オープンだったセブンに行き、お菓子を数点買って憂さを晴らしました。(おかげで機内持ち込みの荷物が増えてしまった)
今回、飛行機は初めてのZIP AIRに。LCCなので、預け荷物がオプション扱いになり有料なのですが、そのオプションになぜか機内食もついておりました。しかも機内食は7品くらいから事前に選べて(サンドウィッチ、サラダ、フルーツ、そば等)機内はWi-Fiも使えるという充実っぷり。いままで口にした事が無い「リピあり!」という言葉を心の中で数回連呼しました。
わたしが選んだえび&厚焼き卵のサンドウィッチ。味はとても普通でした笑
そして、この日はそこまで揺れる事も無く、二時間ちょっとのフライトで無事仁川空港に到着!飛行機から降りる瞬間、久しぶりに韓国の地面に足を着ける瞬間、出発前はそれを想像するだけで40代のゆるゆる涙腺で涙する日がありましたが、いまから行うであろういろいろな手続きに気をとられて、気付いたらもう既に数百歩は歩いてしまっていました…(同便だった女の子アイドルちゃんが日本のファンからもらったプレゼントの紙袋が破れそうで、歩きながらそっちに気を取られてしまってたのもある)
↑ワクチン三回接種完了のステッカー
入国手続きは、ワクチン証明や陰性証明を既にQ-codeに登録していたので、スマホの画面とパスポートとビザを見せるくらいで拍子抜けするくらいあっさり終わり、Wi-Fiのレンタルもして、仁川空港内の病院へPCR検査を受けに向かいます。先ほども言いましたが、韓国に入国して72時間以内の検査がこの頃は必須だったのですが、わたしはそこまで韓国語が得意でなく、韓国語のサイトで無料の保健所を探したりが難しかったし面倒だったりしたので、きっと空港の人だったらつたない韓国語でもわかってもらえるかもだし、日本語わかる人もいそうだし、あれこれ検索しないで仁川で受けちゃお〜と、事前にネット予約をしました。
日本のPCR検査は唾液を採取する方法がメインですが、韓国のPCRは綿棒を鼻の奥に入れる「鼻ぬぐい式」のみとのこと。口コミをみていると「脳みそまで綿棒刺さった気が?」「朝検査していま夕方だけど、まだ痛てえな」などの、読んでいるだけで鼻血が垂れてきそうな感想ばかりでめちゃくちゃびびっていたのですが、病院ロゴからなんとなく綿棒をやさしく鼻に入れてくれるイメージがしたため、仁川空港の外に三軒並んでいる病院の中の、木のイラストロゴが優しげな病院を選び事前に予約しました。
Wi-Fiのレンタルや、コンビニでお茶を買ったりしていて、気づいたらうっかり30分ほど予約時間が過ぎてしまい、わあ大丈夫かなあ?しかも久しぶりに韓国語で話さなきゃ…と緊張しながら病院へ。
そして、そこでこの仕入れ旅行でいちばんのオモロー(死語?)な事が起きました。
予約した病院の入口に到着し、目の前にいた方に「ちょっと遅れてしまったんですけど検査できますか?」と久しぶりに話した韓国語がなんとか通じ「予約番号わかりますか?」という向こうの韓国語も聞き取りできたので、「あ!いま出します〜!」とスマホを鞄から出した瞬間、病院の方が「ジンギ?」(わたしのすきなSHINeeのオニュさんの本名)と言った気が…?
んんん?わたしがオニュさんがすきだから何かとジンギを(例えばシンギハダとか?いやでも何も不思議じゃないけど?)うっかり聴き間違えた系???と思い「すみません、もう一度いいですか?」と聞いたところ、わたしのスマホのホーム画面を指差して「これこれ!待ち受けジンギでしょ?」と。
「はい…これはジンギです…」と韓国語初級の最初の方のみたいな返事を思わずしてしまったのですが、案内してくれた入口の方がまさかのガチofガチなオニュペンの方で「でしょ?わたしもちょうジンギすきなの!ウケんだけど!(意訳)」「まじか!それはやっべ!」と手袋越しにハイタッチしてめっちゃ盛り上がり、韓国入国からおよそ30分、二年三ヶ月ぶりの韓国で早速友達ができてしまいました笑
「もしかしてジンギのミュージカルの初日見にきたの?」「いや、仕事です笑!でも、仕事終わったら行く予定です」「じゃあその時会えたらお茶いこう!」となり、Twitterのアカウントを交換したところ、まさかのオタアカのフォロワーだったという追いミラクルが…笑
数年前も、COEXでSHINeeのマステのガチャをしてた隣の子と「被りがでたら交換しよう!」と仲良くなって、両替した10万ウォンをお互いに使い切った後、最後にアカウント交換をしたら相互フォローで大笑いした事があったな…なんかこういう引きが強い人生なのか…?(謎)
とにかく、きゃはきゃは笑ったままブースに行って鼻綿棒をしたので、鼻ぬぐい式のPCR検査は体感全然痛くなかったです笑
「また来週!連絡するね!」とバイバイをして、は〜〜早速韓国楽しいなあとにやにやしながら空港鉄道の乗り場に向かいました。乗る人が少ないからか急行が無くこの時は各停のみだったので、いつもより時間がかかりましたが、一時間とちょっとでホンデ駅に到着。
空港鉄道駅の構内に立食いのキンパのお店があったなあと思い、久しぶりに寄ってみました。
ショーケースに並んでる数十種類のキンパを選んでレジに持って行くと、おばちゃんが食べやすい大きさに切ってくれます。トンカツと辛いイカの炒め物が入ったキンパと、オデンをひとつ注文。全部で3000ウォン。はあ、うんめえ…こういう電車の待ち時間とかにささっと立ったまま軽く食べられるもの最高でしょ…。SHINeeのテリロガのカムバの時、歌番組のサノクでデジタルメディアシティに行く前にここで毎回キンパをポジャンした事をふと思い出しました。あれは2018年かあ…(しみじみ)
そんな事を考えながら久しぶりの駅キンパも食べ、ゲストハウスに向かう間、目に入るあれこれにいろいろな思い出やエピソードが蘇ってきたり「この道を歩けばどこに行けるか知っている」「ここを曲がったらあの場所に着くってわかる」という感覚が一歩一歩あるく足の先からじわじわと戻ってきました。空港に着いたときもですが、来たくてたまらなかった場所に久しぶりにやっとこれたのに、不思議と「懐かしい」という気持ちや空白だった時間の長さを感じず、なんなら全然エモーショナルな気持ちにもなれなくて、あれはいったいなんでだったんだろう?
二年前とお店も殆ど変わってたし、前にあったはずの物も無くなって全然見た目が違くなっても、結局その街にある何か(何かって何だろう?て感じですが、目に見えない感覚的なものとかで、その街の気の流れとか本質というかそういうふうなもの)は変わらないから、その何かを感じた瞬間、一瞬で元に戻った様な気分に錯覚したのかなあ?と思いました。
そもそも、「何で韓国そんなにすきなの?」と聞かれても、なんでだろうなあといつも返答に困って「ごはんとか辛いものがすきだから…」などと答えていたのですが、だからと言って韓国に行けない二年間、辛いものを食べにジェネリック韓国こと新大久保に行く事はほぼなかったし、なんですきなのかといったら、ほんとになんでなんだろうなあと思います(人生で一番旅行に行ってる国だし、韓国の物を売るお店もやってるし、すごくすきなはずなんだけど)不思議なもんですね…笑 気がついたら、理由はわからないけどなんだかすきという事や物に身を任せて生きてきたので、これからも自然と惹かれるものに軽率について行って、そこで愉快なものに出会える様、ふらふら適当に生きていたいなあとか思いました。
ということで!「韓国仕入れ日記」なのに、まだなんにも仕入れてないまま、今回は終わります…笑
お店が暇な時に(いつも暇ですが)続きをちょこちょこ書きまーす。では、また〜
PKP なつよ
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