見方を変えるだけで見え方が違う事。「これはこうなんだよ」という事を言われてからそのものごとを知ろうとすると、殆どの人がそうして見えてしまう事。

…について考えている。

わたしはSHINeeのオニュさんがすきです。それをあちこちで話しているし、お店に来てくださる方は、それを知ってお話に来てくれる事もある。特にコンサートの後、ああ楽しかったなあ、終わってしまったなあなんて思う次の日には、数人のオニュペンさんがあちこちからPKPに集まって、初対面のみんなでわいわい盛り上がる日もある。

なので、他のファンの方より、比較的たくさんのあらゆるオニュさんのファンに会っているのかもしれない。それでもTwitterやインターネットを見ていると「わたしの知らないいろんなファンのひとが世の中に沢山いるんだなあ」と当たり前だけとそんな事に気付く。

わたしは「こうじゃないとファンと呼びません！」なんて定義はないと思っている。すきになって一日目だろうが、十年目だろうが、CDをまったく買わない人だろうが、逆に何百枚も購入するひとだろうが、その人の作品や感性がすきで、その人のしあわせを願い応援する全ての人をひっくるめて「ファン」だと考えている。

でも、「ファン」て、なんだろうなあと考える出来事が最近起きた。

SHINeeを好きな人なら知っていると思うが、タイムラインに頻繁に流れて来る様になった、オニュさんがヨガをしているプライベートな姿についてである。昨年、オニュさんの日本活動の時に放送されていた冠番組でも、朝のルーティーンとして２時間近くストレッチやヨガをやっていたし、購読しているバブルでもちょこちょこヨガの話題はでてきていて。なので、「おお、オニュさんに新しく趣味ができて楽しそうにしているな〜」と思っていた。思い返せば4年前、入隊中のミュージカルの出退勤時でもヨガマットを持っている姿を見た。

しかし、休暇毎に釜山や中国、あらゆる場所で仲間たちとヨガをする写真が流れてくる度に「あの集団なんかおかしい…」「ヨガだし、絶対へんな宗教じゃない？」「オニュさんが心配」というファンがじわじわと現れて、そのツイートを見かけた韓国のファンたちが「30代の大人のプライベートの干渉するな」「日本で事件があったのは知っているが、じゃあヨガをしている人はみんな新興宗教の信者だというのか？それなら包丁を持っている人は料理人ではなくみんな殺人犯ですか？」等とケンカをしているのをTwitter上で見かける日もあった。

たしかに、日本でわたしの世代（40代以上）はきっとみんな子供時代に見たオウム事件の記憶が鮮明に残っているし、麻原彰晃が座禅を組んであらゆるテレビに出ていたこともすぐに思い出せる。だからといって、ヨガ＝怪しいと、条件反射で決めつけるのは、偏見甚だしいととても腹が立ち、令和にその考えは流石にヤバいなあと思った。そして、その意見に反論する韓国のファンの方々の口調が荒かったからか「これだから韓国人は…」「すぐキレてこわい笑」と嘲笑う差別的な意見も見つけ、それにもとても腹が立った。

そこまでして韓国のファンの方々が反論するには理由がある。

わたしには韓国のオニュペンのおねえさんや、お店で取扱う韓国の作家さんの中にも、SMアーティストのファンがいる。その人たちに、未だに韓国の過激なアンチにオニュさんが傷つけられている事、オニュさんがなにか活動する度に攻撃されている話を何度も聞いたことがある。

わたしもSHINeeの４人派（オニュさんを除く他のメンバー4人）が居る事は知っていたし、どんなグループでもアンチが居て…くらいの認識で、具体的な事は知らなかったし調べたこともなかった。だから、その話を聞いた時にびっくりしてしまった。

あまり書きたくないけど（そしてこの話だけを切り取ってあまり広めて欲しくないが）オニュさんが受けている嫌がらせはこんな感じだった。

・誕生日広告を出す予定だった駅にアンチが一斉に抗議の電話をし、「こいつの顔が駅にあるだけで不快」「この駅を通ったみんなの気分が悪くなる」と苦情をいれる。

・出演したテレビにも同様の苦情をいれる

いちばんショックだったのは、「お前が頼りないリーダーだから仲間がいなくなったんだ」と本人にその言葉を浴びせる人がいたということ。

その話をするとき友達は声をつまらせて泣いてしまい、わたしもぼろぼろ涙が止まらなくなって、居酒屋でふたり、焼き鳥を目の前にしばらく泣いてしまった。

だから韓国のファンは、オニュさんがそのような言葉でアンチに傷つけられる事をなりより恐れているし、アンチのネタになるような不確かな情報をインターネットで書く事を絶対に許さない。オニュさんを守る為に、二度と傷つけられない様に。

その話を聞いた日、「こんな僕でも誰かの慰めになれるなら、みんなの為に歌い続けたい」「みんなにしあわせになってほしい」と、毎日バブルをくれたり、最近のインタビューで必ず「しあわせがいちばん大事」と話すようになったオニュさんの事をずっと考えてしまった。ただでさえどうしようもない悲しみの中にいる時、それを「お前のせいだ」と知らない人に言われ、それでもステージや人前に立たなくては行けないとき、いったいどんな気持ちだったのだろう。もしかしたらオニュさんはその気持ちを背負いながら、この先もずっとその恐怖と生きて行かなければならないのだろうか。そんな事を考えて眠れなかった。

なので、オニュさんの先日のインスタ投稿を目にしたとき、オニュさんが時間をかけて見つけた答えが、このヨガの資格取得での活動なのかなあとわたしは思った。

練習生や同僚、同じ業界で働きながら、心や身体を駆使して壊れて行く人を何人も見たことがあるだろうオニュさんが、自分の歌以外で、もっと広い範囲で誰かの癒しになれたらと行き着いた答えなのかもしれない。オニュさん自身も誰かにそうする事で、自分の悲しみや悩みからも解放されるのかもしれない。そして、みんなこんな素敵なオニュさんの目標を応援したいよね？と思っていた。

が、Twitterで流れてくるのはびっくりするほど冷ややかな感想ばっかり。

「うわあ、洗脳されている人のあれだ～。だめって行っても「ちがうんだよ！」てもう話し聞かないやつ」

「昨日の空港でも様子がおかしくて目がいっちゃってた笑」

「集団でヨガって誰がみてもやばいやつ」

「ガリガリでヨガ…確実にやばいものにハマってる」

わたしがいちばん腹が立ったのが「亡くなった仲間の名前をだして、自分が宗教にハマって洗脳されている事を正当化するな」と言う意見だった。そして、それらの意見はアンチではなく、数ヶ月前まで「オニュさん一生だいすき！」「どんな事があっても愛してる」と言っていたファンの言葉だという事にとてもショックを受けた。

そんなファンのツイートをみた他グループのファンが「わあ、オニュさんっていまこんなことになってんだ！こわ！」「明らかにみたことない顔だし、洗脳されてガリガリじゃん笑」と笑い者にして盛り上がっているのがとてもつらく、何よりも人々の憶測で作られた、事実ではない話がどんどん本当の事の様になり、それが「最近のオニュさん」としてインターネットに広がって行く様子に恐怖を覚えた。

洗脳？新興宗教？本当に？？？と疑問に思ったわたしは、オニュさんのやっている「インサイドフロー」について検索してみた。

インサイドフローヨガとは

・ドイツ系韓国人YOUNG HO KIM氏によって考案された最新のヨガ

・伝統的なヨガのポーズを科学的根拠に基づいた解剖学に従い、現代人のライフスタイルや骨格、筋肉の動きに合わせ動きを再構築している。現代人に多い身体の悩みにダイレクトに効果をだしていけるよう、バージョンアップされたヨガ

・伸ばすべき部位をしっかり伸ばし、骨と筋肉を正しい位置に戻す事を重視としたプログラム

・音楽の意味を表現し、音楽に合わせて動いて行く、進化系ヴィンサヤスタイル

というのが基本情報の様だ。ここ3、4年の間にできた新しいヨガのジャンルで、世界中に愛好者がいるとのこと。世界唯一のオフィシャルスタジオが福島にあるが、それ以外では資格を持ったインストラクターが個々にスタジオ等をレンタルし、そこでレッスンを行っているらしい。

集団で派手なライティングや激しい音楽のなかでヨガをやることがおかしい、これはヨガではないという意見をみたけど、新しいスタイルのヨガということだから、それはただ単にあなたが勉強不足なだけなんだろう。（検索すれば、簡単にいろいろな情報が載っている）

大人数でやるのは唯一のオフィシャルスタジオが日本（福島）にしかないため、色々な国をツアーで周り、その国のインストラクターや生徒が一度に集まるからの様だ。イベントの後の食事会も、交流会の様な、せっかくこの人数が集まるならという理由で行われているのだろう。長年ヨガのインストラクターをしていた方達が、このインサイドフローの資格を新たに取得し、この新ジャンルのヨガを楽しんでいる、という記事もあった。ちなみにわたしは以前、暗闇で爆音の音楽に合わせて自転車を漕ぎながら筋トレをするフィールサイクルというフィットネスに通っていたのだが、それのヨガバージョンという感じかな？と思った。

体験レポートを読んでいると「講座の途中で先生が泣き出してキモくて引いた。泣くとか宗教ぽい」というレポートもみかけた。自分がヨガを始めた時の気持ちや体験談を話しているうち、泣き出してしまったインストラクターがいたようだ。たしかに、突然インストラクターが泣き出したら、えっ何？とびっくりしてしまう気持ちはわかる。が、それはそんなにおかしな事なのか。わたしは自転車通勤をしているが、自転車に乗りながら見える景色がいつもと違うと感じた日、またひとつ季節が変わったなあと思うだけで、ぼろぼろと泣いてしまう時もある。お店を始める前にしていた妊活の話を誰かとしているとき、涙が出てしまう事もある。自分の経験や体験について話している時、その事を思い出し涙を流す。それはそんなに異常な事なのだろか？

そして「宗教っぽい」という言葉。それもとても引っかかった。果たして宗教はいけないものなのか。世の中にはあらゆる対象に祈り、頼り、救いを求めることで、心のバランスがとれる人もたくさんいる。いけないのは「宗教」そのものや、宗教を心の支えにするひとではない。何かに助けを求めている人をいい様に利用し、騙し、お金儲けをする悪い人だ。

インサイドフローの養成講座でお金を払い、指導者になるシステムが怪しいというツイートもみかけた。しかしそれはフィットネス業界に限らず、料理教室や茶道、宝石鑑定などの資格取得でも普通にあるシステムである。そうやって世の中の団体や会社は活動資金を稼いでいる。ロゴの入ったグッズ販売も、会社を維持する為にどこでもやっていることだ。

ざっと調べてもみんなが言うように、大元が新興宗教の教団という情報は一件も見つからなかった。これだけ世界中に広がっているものなら、どこかにそんな口コミや被害にあった方がいるのでは？と思ったが、全く見当たらなかった。むしろあれこれ検索していると、羽田空港のターミナル内やゴールドジムでも特別クラスを行った記事なんかも出て来て、新しくできた注目のスポーツジャンルなんだなあと感心した。そして「骨と筋肉を正しい位置に戻す事を重視とした新しいヨガプログラム」というところが、激しいダンスで身体の痛みを抱えながらステージに立ち、心のバランスも崩してしまうことが多いという韓国アイドルの方々にとっては、御守りのようなメソッドなのではないだろうか？とも思った。「音楽の意味を表現し、音楽に合わせて動いて行く」というところも、アイドルにはぴったりな気がする。

安心すると同時に、人というのは先入観や偏見を持って物事をみると、とことんそう見えてしまうんだなあということが本当に怖くなった。数ヶ月前までは「かわいい！こういうところが意味わからなくてすき！」とみんながだいすきだったオニュさんのふわふわした仕草や行動も、偏見を持ってみれば「洗脳された変人の奇行」にすり替わってしまう。特に日頃からオニュさんの事を追いかけていない他グループのファンからしたら「見てこれ、洗脳されておかしくなったオニュさんだよ」と聞いた後、空港でスーツケース２つに体重を預け、楽しそうにすいすい走る動画を見さられたら「うわあ…」と思ってしまうだろう。わたしも知らないグループのメンバーの写真を、そういう説明の後にみせられたら絶対にそう思ってしまうはずだ。（これについては、自分もそうして日頃から偏見をもって物事に接していないか、その事で誰かを傷つけたりしていないか？と、反省した。）

ヨガ仲間とのプライベートな写真が流れてくる事に不満がある人も多いが、それはオニュさんとその方の関係性なのだから、わたしたちの様な只のファンには介入できない箇所だと思う。本人が良しとして一緒に写真を撮っているのだろうし、本当にダメならそのうち会社やマネージャーが注意するだろう。というか、オニュさん以外のSHINeeのメンバーも、友達と一緒に買い物する姿や、お酒を飲んでいる写真、そんなプライベートな姿が本人以外のアカウントからもよく流れてくる。だから、オニュさんだけがいけないという理由はないはずだ。

こんな人と仲良くしてはだめ！太ってはだめ、痩せすぎてもだめ！痩せすぎだからごはんをたくさん食べて！そんなに食べたら太るよ？お酒は飲まないで。タバコは吸わないで。恋愛もしないで！そういう身勝手なファンの意見に、アイドルは全て応えなくてはいけないのだろうか？それは違うと思う。アイドルの身体や心、そして人生はその人だけのものだ。極端な話、この先もしオニュさんが歌を辞めてしまったとしても、SHINeeではない道を選んだとしても、それは仕方ないと思う。彼の人生は彼自身が決めることだから。

最後に、「痩せすぎた見た目がこわくてひく」「変な宗教に心酔して目がおかしい」等、オニュさんの見た目についての悪口や根拠のない憶測、インターネット上のそれらの言葉について「個人の感想だから、どんな意見でも投稿する権利はあり、それはわたしの自由」「自分と他人の考えが違うのは当たり前。嫌なら自分をブロックなりミュートなりして見なければよい」そんなファンの方の意見をみかけた。

本人がみたら傷付く言葉、他人が見たら勘違いする情報、それを誰もが見える場所に書く事が「自由」と思うのは、本当に危険なことではないだろうか？現にこうしてその個人の意見がオニュさんのファンじゃない人にも広がり、それが真実と思ってしまっている人がたくさんいる。

心配や不信感、そして憶測。そう言う気持ちは心の中で思うことは確かに自由だ。だが、人前で話した瞬間、それは違うものになる。その話を語るとするなら、せめて不特定多数の人に見られない私的なコミュニティの中で話す事はできないのだろうか。憶測をまるで真実の様に話し、まったく関係ないイメージを植え付け、結果、相手にダメージを与えてる事、それは「傷つけてやろう」と意図していなくても、立派な「誹謗中傷」ではないのか。「ファンだから心配」という気持ちは自分も十分理解出来るが、そうして既成事実を広める行為は、オニュさんを心ない言葉で攻撃するアンチと何ら変わりない行為だとわたしは思う。

自分のことを殆ど話さなかったオニュさんが、「伝えたいのは本心」と、一生懸命に歌い、踊り、通訳をつけずに勉強した日本語でMCを話し、ファンが見たかった姿を全て見せてくれた去年のツアーや、そこから更に洗練したステージを見せてくれた3月のソロコンサート。「まだやりたい事がたくさんある。これからが人生の第二幕だ」と楽しそうに語るオニュさんなんて、数年前までは想像もつかなかった。これからも、自分の知らないオニュさんの姿をたくさん知る事になるだろう。それが思いも寄らぬ方向だったとしても、憶測に流されず、自分の中で何度も何度も考えたり、調べたり、心の目を大切にして、あらゆる物事を見て行きたいし、決断したいとわたしは思う。

オニュさんの優しさや努力、そして強さと新しい事に進んで行く勇気。それら全てを尊敬して、今日も元気を貰って生きている。わたしはそんなオニュさんのファンだから。

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2023.05